台東区議会 本会議での一般質問 動画&内容(令和6年6月11日)
一般質問 概要
2024年6月11日、台東区議会・本会議にて、下記の3点について一般質問を行いました。みなさまにも一緒に考えてほしい問題だと考えております。動画と、それぞれの質問の詳細を掲載いたします。
(1)地方自治法改正について
①地方自治の本旨について
②改正に関し反対又は意見の表明をすることについて
(2)共同親権について
①共同親権導入による課題について
②親権に関する相談への区の対応について
(3)教育・保育の現場における子どもの近視予防について
一般質問 動画
ふうさわ純子の質問、質問に対しての答弁をYouTubeにアップしましたので、ぜひご覧ください。
(1)地方自治法改正について
2024年6月11日の一般質問のひとつめは、台東区政に関わる地方自治法改正についてです。以下、まとめです。
2000年施行された地方分権一括法では、国と地方は上下主従ではなく対等協力の関係とされ、地方分権が推進されてきました。しかし、地方自治法改正案が出され、日本弁護士連合会や全国知事会が反対や危惧の意思を表明しました。
今回の改正では、政府が「重大事態!」と認定すれば閣議決定だけで自治体は国の指揮下に入ります。大規模な感染症や災害時という事でありますが、どの位の規模であるのか明示されておりませんし、今ある法律で十分です。「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」という設定も曖昧なままとなっています。生命、身体もしくは財産の保護という点についても非常に危険であり、《地方版緊急事態条項》とも言われています。
沖縄では、基地反対派の知事が就任してから国からの予算減少が続いています。基地問題などで国と対立する沖縄県への国による不当なコントロールとも受け止められています。昨年、沖縄の民意を踏み躙って辺野古新基地建設に関する工事の国による代執行が行われました。玉城知事は「憲法で定められた地方自治の本旨をないがしろにするものである。国の判断だけが正当なものとして認められるという、地方自治を否定する先例が生じてしまった」と述べております。首長がどうにも機能しない際の最終手段であるはずの代執行が既に行われているのです。
杉並区長、世田谷区長は地方自治を蔑ろにするこの案に反対する意思表明をしています。全国の議会からも意見書が提出されています。地方自治の本旨についての認識を伺い、改正への反対もしくは意見の表明を行うべきと質問しました。
区長答弁を求めましたが、部長答弁となりました。
(2)共同親権について
一般質問の2つめは、共同親権についてです。以下、まとめです。
2026年までに離婚後の共同親権制度が施行予定となりました。共同親権により元夫婦が離婚後も協力するのは当たり前だ、いいんじゃない?と思われがちですが、夫婦が上手くいかないから離婚したのであり、転居や進学に関する考え方の相違や言い争いが離婚後も続くとすれば子供の利益にはなりません。夫婦間の対立に子が巻き込まれたり、DVや児童虐待が続いてしまう懸念もあります。離婚後も相談して決めることができる人たちにとってはそもそも共同親権は必要がありません。
共同親権を推奨する方の中に、相手が子どもを連れ去った背景を主張する人が多く見られますが、子どもをもし不法に連れ去ったのであれば、そのような相手と共同親権を望むのはいかがなものでしょうか。それこそ単独親権を主張すべきなのではないでしょうか。
離婚後の監護、面会交流、養育費については、共同親権を導入せずとも可能です。2世帯に1世帯が相対的貧困状態といわれるひとり親家族への支援を充実させることこそが、国と自治体の役割と考えます。例えば明石市では、養育費が支払われないときに支払うべき義務者に対して、市が働きかけをし、それでも支払いがない場合に、養育費を受け取るべき人に対して、市が立替払いをした上で、義務者に対して督促をしています。
強制的な共同親権施行に伴い恐怖に感じている人の多くが女性です。支配やコントロールから身の安全を守る為に家を出たはずなのにDVなどの認定がされないこと、理解されないことで苦難の日々を送っています。DVや虐待は証拠となるものがなかなか残っておらず、家庭裁判所が認定したとしても時間がかかります。
同性婚や選択的夫婦別姓などは長年要望があがり、賛成する人が増えているのに、なかなか実らない。反対にこの共同親権については、多くの懸念が当事者だけでなく各地の弁護士会からもあまりにも拙速だと意見が上がるほど短時間での審議に留まっています。政府が家父長的な国を望んでいることの現れと言っても過言ではないと考えます。
共同親権導入について、どのような課題があり、施行までに運用を精査し区としてどのように対応していくべきと考えるか区長答弁を求めました。
部長により、DV被害者などからの懸念は承知していること、運用のあり方について検討していくことの答弁がありました。
(3)教育・保育の現場における子どもの近視予防について
一般質問の3つめは、子どもの近視予防についてです。以下、まとめです。
長年の啓発運動はじめ関係者の取り組みが功を奏し、虫歯を持つ子どもの割合は過去最低となりました。一方で、視力の低下した子どもは過去最高を更新しています。子どもの近視についても歯と同様に一定の予防ができると考えます。
都立広尾病院の五十嵐多恵医師から資料を頂き、屋外活動は、近視発症前の子どもの近視発症リスクを下げる事が分かりました。屋外活動と言っても体を動かす事ではなく、自然の光を浴びる事が視力に良い結果をもたらすと証明されています。台湾では国語や算数の授業を屋外で行うなど1日2時間の屋外活動を確保する取組みを行い、近視になりにくいという研究結果を導きました。その他の国でも国策として近視対策が進んでいるところは少なくありません。
日本眼科医会は子どもの近視予防の為に1日2時間の屋外活動、明るさとしては1000~3000ルクス以上を推奨しています。室内では撮影スタジオでさえも1000ルクスには届きませんが、屋外なら曇や雨の日でも1万、晴れなら10万ルクスとも言われ、帽子やサングラスなど紫外線防止対策をしても十分な光が目に届きます。
近視は単に視力が悪いというだけでなく、将来の網膜剥離や緑内障や白内障のリスクを高めます。近視を予防する事は、近視の治療やコンタクトレンズなどの費用を軽減するばかりか、将来の医療費の削減にも繋がります。
このように、屋外の自然の光が近視予防対策として有効で、日本眼科医会は1日2時間屋外で過ごすことを推奨しています。子どもや家庭の努力ではなく、屋外で過ごす時間を園や学校が意図的に作ることが必要です。教育・保育の現場において、近視予防という視点で屋外活動の重要性を啓蒙し、今後の取り組みについて教育長へ所見を伺いました。
次長より、未就学児のいる現場での周知をしていくことの答弁がありました。
ふうさわ純子